晴天のへきれき?
「近場だけど、僕は自分の車とかないし、さすがに営業車持ってくる訳にいかないから。駅から遠くない方がいいでしょう?」

気配り村田君は健在。

「全然構わないよ。たいして食べないし」

そう言って、二人で階段を上がって行く。



中華食堂と言う割りに、おしゃれな店内は若い人たちで混みあっている。

それでもすぐ席に案内されて、メニューを見てから、村田君が2名様用のコースを注文した。

「……そんなに食べれないって、さっき言わなかったかな?」

睨む私に、村田君が笑う。

「だからいいんだよ。下手に定食頼んで、さっちゃんが残すより、コースにして食べられるだけ食べればいい」

なるほど。

そういう考え方もある。

まずはビールが来て乾杯して、来た料理を取り分けながら、懐かしい話で盛り上がった。


「だけどタカは変わらないね。まだ、ああやって一言多い訳なんだ」

「高瀬は、あれでいいんじゃないかな。なかなか大人だし」

「さっちゃんも大人じゃない?」

「村田君にさっちゃんって呼ばれてるうちは、まだまだかな~」

「僕も、村田君なんて呼ばれてるうちは、まだまだだね」


そう言って笑う村田君に、小首を傾げた。


「村田君ていい人だね」

しみじみ言うと、笑顔が苦笑に変わった。

「それって、ハッキリ対象外って言われてるよね」

「え?」
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