晴天のへきれき?
「そうだよ。男性が女性にいい人ね。なんて言われたら狼になりにくいよ」

狼って……

「いい人以上にはなれないって、友達って言われてるのと同然」

そうなんだ……

それは気付かなかったよ。


「例えば、さっちゃんの好きな人を表現してみなよ」

「潔くて、優しくて、淡々してて……って」


何を言わせるんだ!

キッと睨むと、村田君は吹き出して、頷いた。

「ま、当たり障りのない表現がきたら、まず、当たり障りなく思っている。って、言いたかったんだけどね」

顔を赤らめる私に、村田君は煙草に火をつけながらニヤリとした。

「熟考できるような人にさっちゃんはなったんだと思ったけれど、簡単に引っ掛かったね」

それは単細胞、と言われてる気がする。

「潔くて、優しくて、淡々してる人ねぇ。第二にそんな人いたかな……」

考え始める村田君に、慌てて手を振った。

「駄目! 今のなし!」


断言して睨みつける。

「OK、解った。推測はなしって事だね」

両手を上げる村田君にホッとした。

ただ、村田君は高瀬と違って、とんでもない所から結論を出して来るので、要注意。
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