晴天のへきれき?
「だけどあれだね。これで僕が眼中になかったのがハッキリしたよ」

溜め息混じりの言葉に、目を合わせた。

「それにしても、僕がさっちゃんを好きだって……よく気付いたねー」


いや、気付いたと言うか。


「木村に教えてもらった」

途端に村田君はガックリと肩を落とした。

「ホントに、視界の隅にも入ってなかったってこと?」

「ごめんなさい」

「いやいや、いいよ。さっちゃんには、もっと熱烈アピールじゃないといけなかったんだ」

村田君は青椒肉絲を食べながら、ブツブツと呟いた。

「でも、その潔い彼とは、まだつき合ってないんだよね?」

微笑まれて、口を閉ざす。

それは暗に、僕が割り込むスペースがあるか、と聞かれている様で……

微かに、だけどハッキリと首を振った。

「駄目だよ。村田君は私を知ってる人でしょ?」

好きな人がいるのに、好いてくれる人がいるからって、それになびくような性格はしていない。

だいたい、そんなに器用な人間でもない。

「そうだね~。さっちゃんは困難に立ち向かうのが大好きだから……」


……それも、どうかと思う。


ちょっとやさぐれた。


「それで、告白はしたの」

「してない」

「何故?」
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