晴天のへきれき?
「それこそ、ハッキリ同僚扱いされちゃったから」

キッパリと、断言されたから。

呟いて、ビールのグラスを手に取る。

「さっちゃんがそう言うからには、余程ハッキリ示されたんだね」

苦笑する村田君に、ビールを飲みながら睨みつける。

「鈍感ってことね?」

「僕は少なくとも、2年アピールしても、気付かれてないからね」

「ぶっ!」

ビールを吹き出した。

2年。

2年って言った?

私、どれだけ鈍感?

私は、どれだけ子供?

呆然としてると、村田君は煙草をくわえながらテーブルをおしぼりで拭いた。

「あ、ごめん」

「いやいや、慣れてるよ」

ニッコリ笑って、村田君はおしぼりを折りたたむ。


「村田君……」

「なに?」

「私はちゃんとした大人になりたいな」

呟くと、村田君は少しだけ困った顔をした。

「背伸びする事はない、と思うんだけど?」

「でも私って、知らず知らずに、どれだけ他の人を退けちゃってたんだろ」

「まぁ、付き合い始めてから退けるより、いいんじゃないかな?」

「でもさ、私……同僚って言われて、ショックだった」

ビールグラスをテーブルに置いて、自分の手の平を見つめる。

「どれだけの人、傷つけてきちゃったんだろ」
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