晴天のへきれき?
「その彼氏には、ちゃんと自分からアピールしなよ。逃げないでちゃんとぶつかって。それで玉砕するなり、まとまるなりしないと……」

またポンポンと頭に手を置かれ、それから離れてく。

「じゃないと、先に進めないよ」


先に進めない……か。

「さっちゃんはいつまでも、その彼氏の面影追っちゃうでしょう?」


そう……かも知れない。

いや、きっとそうだと思える。

「だから、ちゃんと思いを伝えて、もっと明確な答えをもらわなきゃ」

「でも……」


答えなら、すでに……


「彼氏は、さっちゃんの想いを知らないワケでしょうが? それじゃ、正確な答えは聞けないよ」

顔を上げる。

「恐いよ」

村田君は微笑んで、頷く。

「それが普通だよ。傷つけられるか、嬉しくなるか、答えはどちらかだからね」

どちらか。

言うなれば、うまくいく可能性にも賭けられる。

でも、その要素ってあまり無くない?


年上だし、ガサツだし、子供っぽいし……



あ。

駄目だ。

また理詰めで考えてる。
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