晴天のへきれき?
年上だっていいじゃない。

女が年上で何が悪いの。

28で初恋で、何が悪いの。

私生活は経験不足で、何が悪いのよ。


そりゃ、一般常識から見れば、28は大人だけど。

一般常識は理屈よね?

これは理屈じゃない。

感情の問題だわ。


確かにこのままじゃスッキリしない。


またウジウジ考えるだけになる。


これじゃ確かに手も足もでないじゃない。



自分に向き合わないと。


子供なら、育っていけばいい。

育てていけばいいんだ。

常識が邪魔をするなら、捨てればいい。

「かなり難しいけど、人を好きになるって常識じゃないわよね」

いつの間にか、テーブルを見据えていた私に、村田君は頷いた。

「さっちゃんの頭の中で、何がどうなったか、全然解らないけど、僕は狂気の沙汰だと思えるよ」

「狂気の沙汰?」

「そうじゃない? 育ちも環境も性格も考えも、全然違う人と、心通わせるワケだろう?」

確かに。

「それを通わせる努力するって言うんだから、狂気の沙汰だよ」

村田君は笑って腕を組むと、私を覗き込んできた。
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