晴天のへきれき?
だいたいこんな所で会う予定はなかった。

ただでさえ動揺してるのに、冷静に返事なんて、けっこう難しい。

なので、守りを攻撃に変えた。


「チーフこそ、一人じゃ飲まないんじゃなかったですか?」

「……飲みたい時はある」

「なら一緒ですよ!」

ふいっとお互いに顔を背けた。


「皐月ちゃん」

珍しくママがカウンターを廻って来て、泡盛の入った小瓶とコップを置く。

珍しいな。
そう思ったら、こっそりと耳打ち。

「何があったか知らないけど、全国制覇してるのよ」


へ?

「今は1週目終わった所」

「地酒の全国制覇?」

「かなり飲んでるわよ」


パッと、室井さんを振り返る。

見たところ顔色は普通、呂律もおかしくない。

だけど、ここの地酒はかなりの種類があって……


って、どんな身体してるんだ?

というか、そんな無茶飲みは私でもしないぞ?


「……チーフこそ。何かありましたか?」

「別に」

「チーフらしくないじゃないですか」

「君には関係ない」


こないだと同じセリフ。


でも、引かない。


今日は引いてやんないんだから。
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