晴天のへきれき?
「再トライしてみればいいです。それで駄目なら諦められるはずです」

私が真っ正面からぶつかっても、もう結果は出ているとおもうけどさ。

「室井さんは、まだ結果が出てないんでしょう?」

泡盛の小瓶に視線を落として、それをコップに注ぐ。

半分くらい飲んだのに、全然酔えないなぁ。

会話の内容が、酔いを次から次に奪い去る。

全く、どうしようもない。

苦笑をすると、ママが小さく驚いた声を出す。


「あら……まぁ」

あらまあ?


顔を上げ、その視線の先を追って目を丸くした。


室井さんがカウンターに突っ伏している。

「室井さん?」

肩を揺すってみても、全然反応がない。

「やだ。寝ちゃってる」

「酔ってたのねぇ」


ええ~?

あんなに飄々としてたのに~?

寝ちゃうってどうなのよー。

「マジか……」

「そりゃそうよね~。あれだけ飲んで酔わない方がおかしいもの」

「なんて解りにくい酔い方なんだ」

とにかく、ママにタクシーを呼んでもらって、その間に支払いを済ませる。

「全国制覇は高いなぁ」

室井さんの分も支払い、ママに手伝ってもらいながらタクシーに乗り込んだ。
< 219 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop