晴天のへきれき?
聞きなれたような、聞きなれない音。



インターホンのチャイム音だと気づいて目が覚めた。

木村かな?

時計を見ると、22:18。


さすがに有り得ないでしょう。

部屋着のまま眠ってしまっていたので、それにカーディガンを羽織ってからドアに近づく。

ドアの外をそっと覗いて、すぐにドアを開けた。


「チーフ!?」

無表情の室井チーフが、ドアがすぐ開いたのに目を丸くしている。

「おはようございます」

とんちんかんな挨拶に、表情をまた無表情に変えた。

「こんばんは」

そう言って、紙袋を差し出す。

「木村さんが、何度もインターホン鳴らしても出てこないって……」


あらら。


「寝てたんで、気付かなかったのかも」

それで室井チーフが来たのか。

にしても……。


「もしかして、今まで会社に居たんですか?」

スッと目が細められて、図星をついたのに気付く。


あちゃ~。

やっぱりかなりの残業になっちゃってるじゃない。


「誰かも確認せずにドアを開けるのは、危険だ」

唐突に呟かれて眉を上げた。


今、話題を変えられた気がする。

それが可笑しくて、小さく笑う。
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