晴天のへきれき?
眠りの世界の室井さんを、無理矢理起こしなんとか住所を聞き取る。

こうなったら放っておけないしね。

全く困ったもんだなぁ。

タクシーが走り出すと、また寝に入っちゃってる室井さんが前後に揺れて危なっかしい。

仕方がないので引き倒し、ひざ枕をする。

眠っている横顔を眺め、微かに微笑んだ。

こうして見ると幼いな。

鼻筋はすっと通ってるし、睫毛も見た感じすごい長い。

髭も濃くないし、眉はキリッとしてる。

綺麗な顔してるよ、ホントに……


髪に触れてみて、驚いた。

柔らかく見えたけど、けっこう硬い。

基本的にはストレート?

いいなぁ。

私は多少クセがあって、雨の日なんかは膨らんで大変。

チリチリじゃないだけマシかな~。


なんて、

思っているうちにタクシーが停まった。


「着きましたよ」

声をかけられ、少し赤面する。

「あ、はい。お支払いを」


支払いを済ませ、帰りの時用にフリーコールの記載されたチラシをもらう。

それから、熟睡中の室井さんを起こしにかかった。
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