晴天のへきれき?
出たくはないけれど、出ないなら出ないで月曜に合わす顔もないよね。

そもそもどんな顔をしていいのかも、まだ解らないけれど……


ええい!


「もしもし……」


とにかく出てみると、しばらく無言が続いた。


「えー……と。用がないなら切ります」

『切るんじゃない』


そうですよね……


「何か、ありましたか」

『いろいろあったと、俺は思うんだが』

いや、私も思います。

『……あれで逃げるとはどういう了見だ?』

そりゃ、まぁ、あのままは居たたまれなかったって了見ですが……

「えー……一人で考えてみようかと思いまして」

『……二人でやった事なのにか?』

「だって、室井さんは酔ってたんだし、誘ったのは私なんですから!」

『誘いに乗ったのは俺だ』


淡々と何を言う!


『今どこにいる』

言いたくない……

と言うか、こんな話はまだしたくない!

なんて言えばいい?

焦ると、言葉が出てこないんだけど!

どうすればいい?


『朝倉』

「は、はい」

『そこを動くな』


へ?


プッと通信が切れてぼんやりする。


動くなって、どういう……

私、今どこにいるかなんて一言も言ってないけど。


『丸徳スーパー、土曜日恒例、朝の野菜特価市!』

ハッとして、背後のラジカセを見る。


これか!?


慌てて立ち上がった瞬間、自動ドアが開いた。
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