晴天のへきれき?
「何を一人で納得してるんですか」

「他愛ないゲームの時に、お前はもの凄い剣幕だったじゃないか」

「……ゲーム」


って?

「王様ゲーム。1番と3番がキス」

言われて思い出す。

「あ、あれは……!」

室井さんは目をつぶり、片手を上げた。

「いや、解った」

なにが!?

「実年齢はともあれ、お前が幼いことをちゃんと考慮しなかった俺が悪い」

「だから、何がです」

「ファーストキスなら……夢も希望もあるな。女性なら当然」

言って、片目を開ける。

「再度、質問だが」

「なんとなく答えるのは嫌です」

キッパリと断る。

この鋭いところは苦手だ。

「まぁ、嫌がらずに、ちゃんとさせろ」

お互い睨み合う。

根負けは私。


「答えられることなら……」

「答えたくなくても、答えてもらう」

「それは、もっと嫌なんですけど」

そう言ったけど、アッサリと無視された。


「何故、初めての相手をお前は〝俺〟にしたんだ?」


今度こそ固まった。

状態を問う訳じゃない。

今度はハッキリと、どうして自分を選んだのか聞いて来た。
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