晴天のへきれき?
それは決まっている。

私は貴方を好きだから。

好きでもない男では嫌だからだ。

「いいじゃないですか……そんなことはどうだって」

「お前の中で勝手に消化されてることだから。俺には関係ないか?」

言葉をとられて、思わずカッとする。

「その通りです!」

ぷいっと顔を背けると、室井さんは口元を手で隠し咳ばらいした。

「朝倉?」

「なんですか」

「さすがお前は、28年も感情出すより、隠して生きて来ただけはある」


はい?


振り向くと、室井さんは煙草を消している所だった。

「聞いてなければ、すんなり騙されそうだな」

「…………?」

「お前。感情が出そうな時に攻撃的になるんじゃないか?」


そう……なのか?


「今、考えただろう」

「え?」

「つまりそう言う事なんだろうな。怒ってる時ならそのままストレートに感情が現れる」


まぁ、そうだろう。

普通は。

「そして何か隠そうとした時にも怒ったように反応する。すこぶる解りにくいな」


その見透かす様な視線に俯いてしまった。
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