晴天のへきれき?
「知り合い……でした?」

室井さんは、ちらっと私を見て軽く頷く。

「……前に話した、すごい先輩」

「ぶちまかせ、の先輩?」

「そう。それから、企画の早良さんも紹介してくれたんだ」


あ。なるほど。


「世間は狭いですね」

「そうだな」

室井さんは淡々と頷いて、首を傾げた。

「朝倉は……?」

「ああ。村田君は同期なんです。元々8月まで、ここの営業課にいたんですよ」

ニコヤカに言うと、後ろから早良さんの声が聞こえて来た。

「高瀬と一緒に、お騒がせトリオって有名だったよ」

聞き覚えがあるのか、室井さんは納得して頷いた。

「そうなのか」

「そうなんです」

そんな私たちのやり取りを見ながら、村田君は腕を組む。

「室井って……煙草、何吸っていたかな?」

……ん?

「マイルドセブンですが、それが何か」

淡々と答える室井さんに、村田君は納得した。

「さっちゃん。淡々で優しくて、潔い男性って、こいつの事だったのか?」

はにゃあ!?

そ、そこに繋げる!?

慌てる私を横目で眺め、室井さんは眼鏡を外すと村田君を真っ直ぐに見た。
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