晴天のへきれき?
「村田さん。もしかして先月の終わり頃に、朝倉を近くの中華飯店に連れて行きましたか?」

目を細める室井さんに、村田君も眉を上げる。

「なんだ、見てたのか?」

「村田さんだとは気付きませんでしたが」

ボソッと呟くような室井さんに、村田君は苦笑した。

「あ~……。そういうこと」


いや、解んないけど。


不思議そうな顔をすると、村田君はにっこりと振り返った。

「さっちゃん。今日飲みに行こうよ。高瀬がおごってくれるって言うし」

「え……?」

「それは駄目です」

へ?

何故か室井さんがキッパリと断って、私の腕を引く。


って。


ぇえ!?


「何故、室井が断るの」

村田君の、当然と言えば当然の質問に彼は頷く。

「今日から月曜まで、俺が先約ですから」

私を背後に隠して、室井さんは腕を組み、

それから、小首を傾げた。


「誕生日は普通、恋人同士で過ごすものでしょう?」



「ええ!?」

と言う高瀬の叫びと、

「お~。やっとか」

と言う早良さんの呟きと、

「あ~あ…」

と言う村田君の嘆息。




って、室井さん!!
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