晴天のへきれき?
 ノリは体育会系で、本人はそう思っていないだろうけど……

 実は細やかな気配りさんで美人だから、結構モテていたのに。


 先輩はきっと知らないと思うな~。


 だいたい、発想がおかしいから……

 今回は私達がお邪魔虫になっちゃったけれど、普通、土日休み……ときたら、それは彼氏との時間でしょう。

 仕事もなく、ゆっくりと……


 あ。

「ああ! 先輩はお泊まりの予定なんですね~!」

 納得したら、何故か今度は私が注目の的になった。


「……と、とま……」

 トマト顔負けの、真っ赤な顔の先輩。

「言うね~。木村ちゃんも」

 どうした事か、感心気味の高瀬さん。

「……ああ」

 何故か、熟考し始めた室井チーフ。


「あれ~。違う予定でしたか?」

 これは明らかにそうみたい。

 慌てる先輩を室井チーフは無表情に眺め、それから私を振り返る。

「いや。間違いない。朝まで付き合おう」

「何をイキナリ社交的になってるの! 明日は洗濯も掃除もあるんだって」

 先輩。

 それは彼氏との時間と天秤にかける事柄じゃありません。
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