晴天のへきれき？
　ま、そうですよね～。

　きちんとお付き合い始めたとは言え、先輩がそうそう変わるモノじゃないです。

　変わるモノじゃないと言ったら……


「ん？ 俺の顔に何かついてる？」

　不思議そうな高瀬さんに、愛想笑いを返した。

「いいえ！」

「……そう？」


　高瀬さんは〝何度〟もお食事に連れ出してくれる。

〝二人〟で行く事だってある。

　お酒だって飲むし、実はドライブに行った事もある……


　あるけど、それだけ。


　この人はどういう人なんだろう。

　お誘いがある……と言うことは、ちょっとくらいは好意を持ってくれているのかな？

　とは思うけど。

　……思いたい、けど、思えない。


　ドライブの帰りに送ってもらって、お茶を誘ったら断られて。

　飲みの帰りに、イケない裏通りを歩いていても素通り。

　食事の帰りは、最長でも最終電車で帰る……



　押されているのか、こちらが押してもいいものか、全然解らない。
< 259 / 272 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop