晴天のへきれき?
「ああ……そっかぁ……先輩はきちんと室井チーフと向き合った結果ですもんね」

「ん? ん~? うん。たぶん」

 何故か視線をそよがせる先輩。

 何かあるのかも知れないけれど、それは今度の機会に詰めよってみよう。

「ともかく、アレだ、木村」

「はい」

「高瀬はああ見えて、そんな女に声をかける方じゃないよ」

「先輩にはかけるじゃないですか」

「ん? あれは別だと思うなぁ。私は肩を組まれた覚えもないし、二人キリで食事に行った記憶もない」

 肩は組まれたワケじゃなく、抱かれた……んだと思うけれど。

 それが、先輩が先輩たる由縁でしょう。


 突き詰めて考えると、よく室井チーフと付き合えたのかも。

 あの無口無表情の室井チーフと、体育会系鈍感先輩……


「どうでもいいけどさ。私にそれを聞くのはおかしいよ。悪い事は言わない。それは高瀬に聞きなさい」


 はあ……


「そんで、高瀬があんたを振るようなら、私が奴を締め上げてあげる。保証するよ」


 いえ……それは恐い保証です。
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