晴天のへきれき?
「って……何? 突然、どうした?」

「突然でもないです。前々から思っていました。高瀬さんの家って、うちとは逆方向じゃないですか」

「まぁ……そうだな」

「単なる女子社員だから……ってくくりなら、おかしいじゃないですか」

「おかしいって……」

 高瀬さんは言いかけ、ボスッとシートにもたれ掛かって腕を組んだ。

「おかしくないぞ」


 どうした事か、どこか偉そう。


「絶対におかしくない」


 ……念押し?


「いえ……おかしいですよ」

「いや。おかしくない」

「おかしいです」

「おかしくない」

 よく解らないけれど、何故か押し問答ぽくなって。

 タクシーの運転手さんの、小さな忍び笑いに気がついて、互いに顔を見合わせた。


「……ちょっと歩くか」

「はい」


 どこか憮然とした顔をする高瀬さんと一緒に、支払いを済ませて貰ってタクシーを降りる。
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