晴天のへきれき?
「関係……ないか?」

「相手もいないのに、子供を生む話ってのも……」

「それは、淋しいな」

ほっとけ。

しかも淡々と言うな、こんにゃろう。

「チーフなら、より取り見取りでしょ」

「そんなこともない」

「そうですか? チーフくらいイケメンならモテるでしょ」


室井チーフは無言で紅茶を飲み、静かにカップを置いた。

「君と話していると、男の後輩と話している気分になるな」


うるしゃい。


「私は先輩ですよ。高瀬と同期なんですから」

「高瀬チーフとは、仲がいいな」

「んー……。高瀬は、ボケた奴ですから。私が何言っても気にしないですからね」

「なるほど」

チーフが納得した所でインターホンの音。

同時に立ち上がりかけて、同時に顔を合わせる。

「……年下におごられるってのは許されません」

「僕も女性におごられたくはない」

「そんなちゃちなプライド捨てちゃえ」

「君の財布はこっちの紙袋だよな」


うぬっ!!

痛いところを!!!

紙袋を片手に、チーフは涼しい顔で立ち上がる。


結局、蕎麦をおごられて、ブツブツ文句を言った。
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