晴天のへきれき?
営業には、大切な事がいくつかある。
そして営業の駆け引きも、いくつかあったりする。
メリットもデメリットも、包み隠さず正直に言うこと。
押してダメなら引いてみる事。
その気のない相手に、ソレを欲しいと自ら思わせる事。
これが出来たら完璧。
「はめられた……っ!」
「失礼だな。これは戦いだよ木村ちゃん」
目を細める高瀬さんを、呆然と見上げる。
口元は笑みの形だけれど、目は真剣そのもので……
「賭でもある。勝率は低かったけどね」
それでもクスクス笑う彼に、手を握られ、引かれるままに歩きだし……
「……よかった」
ポソポソと呟く高瀬さんに、吹き出した。
「笑い事じゃないよ」
「だって…」
「普通って事は、普通に〝いい先輩〟で終わる可能性が高いんだから」
「……それならお茶なんて誘いませんよ」
ふっと立ち止まり、それから見下ろした目と視線が合う。
「それって俺の……勘違いじゃないよな?」
「勘違いじゃないです」
「解った」
解った?
「このまま朝までオールだな」
ニヤリと笑う高瀬さん……
思わず顔を赤らめて、
それから同時に吹き出した。
2010.5/19 fin 旧サイトにて
2015.5/28 加筆修正公開
そして営業の駆け引きも、いくつかあったりする。
メリットもデメリットも、包み隠さず正直に言うこと。
押してダメなら引いてみる事。
その気のない相手に、ソレを欲しいと自ら思わせる事。
これが出来たら完璧。
「はめられた……っ!」
「失礼だな。これは戦いだよ木村ちゃん」
目を細める高瀬さんを、呆然と見上げる。
口元は笑みの形だけれど、目は真剣そのもので……
「賭でもある。勝率は低かったけどね」
それでもクスクス笑う彼に、手を握られ、引かれるままに歩きだし……
「……よかった」
ポソポソと呟く高瀬さんに、吹き出した。
「笑い事じゃないよ」
「だって…」
「普通って事は、普通に〝いい先輩〟で終わる可能性が高いんだから」
「……それならお茶なんて誘いませんよ」
ふっと立ち止まり、それから見下ろした目と視線が合う。
「それって俺の……勘違いじゃないよな?」
「勘違いじゃないです」
「解った」
解った?
「このまま朝までオールだな」
ニヤリと笑う高瀬さん……
思わず顔を赤らめて、
それから同時に吹き出した。
2010.5/19 fin 旧サイトにて
2015.5/28 加筆修正公開