晴天のへきれき?
山積み書類を眺め、首を振る。

「いえ。仕事でクタクタになると思うので遠慮します」

また、湯舟で寝ちゃったら大変。

「今度、キチンとおごりますから」

振り返ると、室井チーフは軽く頷いた。

お蕎麦のお礼はしないとね。

「解った」

去って行く室井チーフを眺め、木村が首を振る。

「室井チーフって、先輩を解ってるようで解ってませんね」

「何が?」

「誘い方ですよ」

私の誘い方?

そんなルールはないぞ?

「木村。あんたは手を動かしなさい、手を」

「はい」




とにかく、山積みの書類に猛然と取り掛かり。

コピーして。

綴じなきゃいけないものは高木さんにお願いする。

それで定時をちょっと過ぎた頃に、何とか終了。


「仕事をしたって感じ!」


「先輩って、困難な事にはやたらと燃えますよね」

「んー? だって、難しい方が簡単な事より楽しいでしょ」

「複雑な性質ですね」

「何を言う。私はそんなに複雑な人間でもないよ」

「女性としては不可解ですよ」


失礼な!
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