晴天のへきれき?
「そんな事を言うと、あんた残業させるわよ」

「あ。それは……」

木村が言いかけた時、高瀬が声をかけてきた。

「あ~。もう上がり?」

「そっちは残業?」

「いや、もう終わる」

そう言って、高瀬は木村を見る。

「木村さん。今日なんか食って帰ろうぜ」


おや。


「えっ。何をですか?」

「こないだ面白そうな店を見つけたんだ。一人じゃ行きづらいから一緒してよ」

「OKですよ~」


若いな~。木村。


「高瀬。木村をいじめないでよ?」

「お前じゃあるまいし、誰がいじめるかよ! その男前を直してから来い!」

「あんたも、大概に失礼だな」

「それか、もうちょっと男心が解るようになれ!」

「私は女だ。そんなもん、解るもんかっての」



ケラケラ笑って、二人に手を振る。


「んじゃ、帰るわ」

「お疲れ様です!」

「お疲れ」



私はロッカールームに向かいかけて……


方向転換して喫煙室に向かう。
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