晴天のへきれき?
「え? 式上げたのは……」

確か、4・5年前じゃ?

「うちはできちゃった婚だしね。籍だけ早めに入れたの」

「あら」

「ウチの嫁さんは朝倉さんに似てるかな? 威勢がいいっていうか、なんと言うか」

「早良さん。私を口説くつもりですか?」

もちろん冗談。

なんて言っても、早良さんは愛妻家で通っている。


「まさか。ウチの嫁さんに落とすのに、どれだけ苦労したと思ってるの」

「どれだけ苦労したんですか?」

「ん~? 子供作って説得した?」

「ぶっ」


思わずふきだして咳込む。


「だから、計画的できちゃった婚なんだよね」

にっこりと微笑ましい表情だけど、やってることはすごいな。

「あ、愛されてますね。奥様」

「もちろんだよ」

「それはノロケですか」

「そうだなぁ。さっき、高木さんに嫁さんの話したらば思い切り眉ひそめてたから、そうかもね」

「たははは…」

「失礼」

コトンと、背後でコップを置く音がして振り返る。

「室井チーフ。抜け出せたんですか?」

無表情ながら、物凄い不機嫌オーラの室井チーフに苦笑する。

「潰して来た」
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