晴天のへきれき?
「だけど、この年になるとですね。可愛いげがないだとか、男前だとか、なんだか恋愛対象外みたいな」

俯いて、お酒を飲む。

「お見合いなんか絶対に嫌ですし。どーすればいいのかな~なんて…」


もう一口飲む。


「仕事を頑張れば、頑張る程、家庭は持てないのかな~なんて…」


しばらく沈黙が落ちて、唐突にチーフが呟いた。


「朝倉」

「はい」


顔をちょっと上げると、目を細めたチーフが見える。


「そんな男は構うな」

「はい?」

「確かに、お前は口は悪いし、ガサツな所がある」


うぅ。

確かに。

言われるとムッとするけども、図星だ。


「すぐ競争相手を見つけるし、けっこうはやとちりもする」

「……ひどい言いようですね」

「当たっているだろうが」


厳しい目で見られて、頭をかく。


「まぁ…」

「それに、そんな話を俺に持ち掛ける自体少し変わっている」


ずばずば言うから。


なんだか心に刺がチクチクと……。


痛いっす。


「だがな、朝倉」

「……はい」

「お前に可愛いげがない、と言う訳でもない」



はい?
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