晴天のへきれき?
「だって、こないだ否定しなかったじゃないですか」

「肯定もした覚えもない」

「だって、チーフみたいなエリートに、彼女がいないなんて信じられません!」

「お前は、俺をどんな男だと思ってるんだ?」


冷ややかな目で見られましても。


ポスト早良チーフとか。

能面だとか鬼だとか。


言えない。


こんな無表情で般若の雰囲気の男に。

絶対に言えない。



そう思っていたら、イキナリ頬っぺたをつねられて、瞬きをする。


「いいか、朝倉」

「はひ」

「お前もちゃんと俺を見ろ。妙な色眼鏡で見るな」


それはそれは、


冷ややか~な視線で。


「わかったか?」


頬っぺた痛いです。


とも言えず。


「返事は?」

「わかりまひたっ」

パッと手が離れて、チーフは溜め息をついた。

「よろしい」

そう呟いてカウンターに向き直り、チーフは悠々とお酒を飲んだ。





教訓その1。
人は見掛けによらない。



この人は、思ったより優しいかも。



涙目で、痛む頬っぺたを押さえていると、目の前でママが大爆笑していた。















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