晴天のへきれき?
ドアノブから手を離して、喫煙室に歩み寄る。

チーフが防火扉を開けてくれて、中に入った。

中には、第一企画室の人がたくさんいた。

すでに長椅子は埋まっていたので、私たちは分煙機の近く、壁際に立つ。

「座れば?」

煙草を出しながら、チーフは空いている長椅子の端を顎で示す。

「いいですよ。チーフこそ座って下さい」

「これから力仕事はお前。俺は頭使う方」

煙草をくわえ、片手で風を避けながら、火をつけて呟く。


ま、それもそうか。


「じゃ、年寄りは座りますね」

「だから、2つしか違わない」

「私、来月誕生日ですし」

チーフの目が、少しだけ見開いた。

「いつ?」

パッケージを揺らし、煙草を差し出してくれながら首を傾げた。

軽く頭を下げて一本もらい、渡されたライターで火をつける。

「来月の七日です」

「ふぅん?」

チーフは片手をズボンのポケットに入れながら、煙を分煙機に向かって吐き出した。

「じゃ、飲みに行くか」

「ええ?」

「何か予定がある?」



残念な事に……


ないけど。
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