晴天のへきれき?
時計を見ると19:15で、肩をすくめてからタイムカードを押して、オフィスを振り返る。

「お先に失礼します」

「お疲れ様。朝倉君」

「お疲れ様」

ダンディとチーフに挨拶されて、ロッカールームに急いだ。

なんて言うか、肩が痛いのは老化現象かも知れない。

そんな事を考えながら、ロッカールームで着替えて、エレベーターホールに向かうと、ダンディとチーフが立っていた。


「あれ。お二人とも」

ダンディが片手を上げ、ニッコリと振り返る。

「お帰り、朝倉君」


いや。お帰りって……。


「これから、一緒に食事に行くんだが。君も一緒に行かないか?」


へ?


「室長とですか?」

「私と室井君と。一人くらいは花が欲しいんだが」


あ。それなら構わないか。


「どこに行かれるんです」

「そうだなぁ。君が来るのなら、焼鳥と言うわけにもいかんだろう」

「全然かまいませんが」

ダンディは笑って頷いた。

「朝倉君らしいな」


そりゃどういう意味だ。


エレベーターが来て、乗り込む。

もちろん、私がボタンの前に立ち、

「朝倉。B3も押して」

チーフに言われて、一階と地下三階のボタンも押す。

「車ですか?」

振り返ると、笑顔のダンディと何故か視線を天井に向けているチーフ。
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