晴天のへきれき?
だけど……

ちらっと隣を見て、こっそり苦笑する。

こんな中でも無表情。

そして淡々と相槌をうっているチーフは、ある意味で大物かもしれない。


「ところで室井君。明日のプレゼンはうまく行きそうかね?」


チーフは烏龍茶を飲んでから視線をダンディに向ける。

「第一企画が頑張ってる様です」

おいおいおい。

頑張れよ、自分。


「営業はうちの方が実力は上なんだから、君も頑張ってくれたまえ」

「僕は僕なりにやってますよ。ただ妙にライバル視されてまして、少々やりにくい」


そう言えば……第一企画にも、今年の春、外資企画が新設されたんだっけ。


「アシタント候補も、全部あっちに持って行かれたしな。横暴と言うか……」

ダンディは苦笑し、肩をすくめていた。

「別にいいですよ。ウチの事務は優秀ですから」


へ? うちら?

淡々と言われて、ギョッとする。


「そこら辺は、朝倉君に感謝だね。よくやってくれている」

「おだてても、何もでませんよ」

ダンディは吹きだして、咳込んだ。

「まぁ、そうひねくれず、素直に喜びたまえ」

チーフにもちらっと見られて、少し居心地が悪い。
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