晴天のへきれき?
「全部英訳ですか?」

「そうだね。つまり、君は残業になるだろうし、僕が夕飯誘ってもなんら問題はない訳だ」

問題はないが、こんちくしょうな人とプライベート時間過ごす義理もない。

これは、挑戦だな。

よし。

受けて立とうじゃないか!

ニッコリ微笑んで、能面チーフを見る。

「つまり20時前に終われば、帰ってもいいって事ですね」

「普通おごりなら、誰でも喜ぶと思うが」

淡々と言われて、ムッとする。

そりゃね、新入社員のペーペーな頃は嬉しかったけれどもね!
男におごって貰って浮かれる程、落ちぶれてもいないわ!

小局様をナメンじゃない。

闘志を燃やす私をよそに、能面チーフは両手で眼鏡を外して、キチンとケースにしまう。


あ。この人、A型かな。


トントンと書類の角を揃えて、クリアファイルに入れる。


間違いなくA型だな。


「健闘を祈る」


颯爽と企画室を出ていくチーフを見送り、急いで自分のデスクに戻った。
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