晴天のへきれき?
「室井チーフの企画に携わったのは、何もあんただけじゃないんだから、次回頑張りなよ」


事務チームだって、少なからず頑張っ
てんだからさ~?


それから無表情のチーフを振り返る。


「と言う訳なので、チーフも、少しくらいは悔しい顔して下さい」

「悔しくない訳がないだろう」


低い声に、目を丸くする。


あ。そう。悔しんでいるのか。
ホントに表情に出ない人だな。


「認めるのは癪だが、今回のプレゼンは僕の完敗だ。営業課には迷惑をかけた」

頭を下げるチーフに、営業課の一同はおろか、高瀬も目を丸くする。


潔いよね。ホントに。


「いや。室井、次回だ。次回は俺がキッチリとプレゼンする」

高瀬は立ち上がり、チーフの肩を叩いた。

怒られていた一団も、大きく頷く。


「…………」


なんか、古臭い青春ドラマを見てるようで寒くなってきた。

営業課が熱血だとは昔から思ってたけど、

寒い!


限りなく寒いぞ!



逃げ帰った私に、木村はもちろん、

事務チームは皆、あからさまな忍び笑いを漏らしていた。
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