晴天のへきれき?
「ちょっと!」

お局様の高木さんに呼ばれて、一応システム辞書を取り出しながら振り返った。

「私がその仕事、変わってあげましょうか?」

真剣なお局に、目を丸くする。

「お願いできますか?」

分厚い書類を差し出すと、お局様は一気に尻込みした。

「……や、やっぱり出来ないわ。今日は仕事が多いし」

去って行くお局様と、手持ち2㎝くらいの書類の束を眺める。

出来ないなら、最初から言うな。


「先輩ぃ。素直におごって貰えばいいんじゃないですか~?」

木村の声に、Word画面を出しながら答える。

「何が悲しくて、上司とご飯しなきゃいけない」

「だって高瀬さんはああいう性格ですし、比べると断然、室井チーフの方がいいじゃないですか」

「何が?」

「解ってないですねぇ。あの室井チーフは26歳の若さで新設部のチーフなんですよ? つまりエリートなんです」

なに?

「あのチーフは、私よりも年下なの!?」

「気になるとこはそこですか」

「それじゃ、ますますおごりなんて言語道断だな」

「何故そこで女らしくならないんですか」

うるしゃい。
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