晴天のへきれき?
「どっちにしろ、試作検討までいったなら喜ばしいですよ」

室井さんから片手で書類を受け取って微笑む。

「頼む」

「任せといて下さい」

ガッツポーズを作って、レジュメに向き合った。

「先輩。レジュメの方、私が変わります」

木村に言われて、眉を上げる。

「先に室井チーフの方、お願いします」

おやおや。

木村も成長したこと。


「じゃ、お願い」

「はい」


この子の、明るい"はい"には、たまに救われるなぁ。


レジュメの束を渡して、室井チーフからの書類に目を通し、

「朝倉さん。私がそれ、変わりましょうか?」

高木さんの声に突っ伏しそうになった。


今、貴女のミスを誰がやってると思ってるの。

状況を読め!


目を細めながら高木さんを眺め、積んである書類から、一束を引き抜く。

「……高木さんは、こっちの書類をお願いします。営業課からの依頼なので気をつけて」

ミスると、高瀬が牙むくからね。

ニッコリ手渡すと、高木さんは引き攣りながら下がって行った。




「室井チーフのには、必死に食い下がりますね~」

木村の呟きには失笑。

「今は仕事に必死になってもらいたいな」

真面目に!!
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