晴天のへきれき?
「驚かれました?」

ええ。

まぁ、社食のうどんすすってる時にそんな事を言われたら、普通の人なら驚くでしょうよ。

ほとんど初対面の人に、言われる台詞でもないしね。


ハンカチで口を拭いて、笑顔の田崎氏を眺める。

「あの。あの他に、どこかでお会いしてましたか?」

「何度か」

いや。

まったく知らなかったですが。


「すみません。覚えがないです」

そう言うと、田崎氏は少しだけ悲しそうな顔をした。

「だと思いました。ですから、あの手帳が縁だと思って声をかけたんですが」

はぁ。

「朝倉さんは一目惚れって信じますか?」


いや。あまり。



って、一目惚れ!?


瞬きする私に、田崎氏は微笑んだ。


「僕が、貴女に、です」

「嘘でしょう?」

小局様とか呼ばれてる、

私を!?


「そう思われるのも、無理はないと思います」


田崎氏は私の手をとって、親指で手の甲を撫でる。

若干、馴れ馴れしいな、とは、思ったけれど……

真剣そうな目から、視線が外せない。


え。

ちょっと待った。


なに?

なになになに?



「……僕と、お付き合いしてくださいませんか?」



ぇぇぇえええ~!!!!
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