晴天のへきれき?
「お前。不気味だぞ」

ガッツポーズをしていたら、背後から恐る恐るな声がして、振り返る。

「元気? 高瀬」

高瀬が一歩退いて、人の顔をマジマジと眺めていた。

「なんか悪いもんでも食ったのか? 不気味な笑顔でこっち見るな」


にゃにおう!!?


思わず手を上げかけて、


「いいわ」


下ろす。


元気で可愛いとは言ってもらったけど、

さすがに平気で男を叩く女は嫌われるかもしれない。


「……また熱があるんじゃないか? 顔赤いけど」

そんなことはないけど……

高瀬に言ったら、絶対からかわれる!!

「なんでもないわよ。うどんが熱かったのよ」

「この陽気に、熱いの頼んだのかよ」

呆れ顔に真顔を作る。

「私の好みを、とやかく言わないでちょうだい」

「言わねぇけど」

「で、なんであんたがここにいるのさ。昼に出てなかった?」

高瀬は腕を組み、困ったような渋面。

「ああ。午前中に上げてもらった書類なんだけど」

「ええと、高木さんに頼んだやつ?」

高瀬は頷く。

「ミスだらけで、注意したら泣き出して」

「アハハ……」

「あのな、笑い事じゃないぞお前。事務はともかく、俺は営業課で白い目で見られてるんだぞ?」

「日頃の行いが悪いからでしょ」
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