晴天のへきれき?
トレイを持ち上げて返却口に返しに行くと、後ろに高瀬がついてくる。

「戻って手直しするから。一度こっちに書類戻して」

「高木さんの方は?」

「大丈夫。どうせケロッと化粧直してるわよ」

高瀬は何とも言えない顔で、私を見下ろした。

「そうなのか?」

「……高木さんの泣き落としは男性社員には有効ね。未だに存在してるとは思わなかったけど」

いったい、いくつなんだか。

泣き落としが通用するのは、新人のくらいだろうにね。


オフィスに戻り、高瀬から書類を受け取ってから高木さんを見る。

さすがのお局様も、少し罰が悪いようで、顔も上げない。

いいけどね。

昼休み前に、営業課の書類まわしたのは私だし。


木村の苦笑に迎えられながら、書類に取り掛かった。

「飛ばそうか!」

何たって、今日はデートだしね!

頑張って、出来るだけ早く上がろう!








なんて、珍しく燃えたもんだから、

18:35。

定時を一時間半オーバーってくらい。

やればできるじゃん?
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