晴天のへきれき?
しばらくぶらぶらと並んで歩いて、『カマクラ』という名のお店の前で立ち止まって、
「ここ。雑誌に載ってたんだ」
田崎さんは楽しそうに中に入る。
半地下の短い階段を下りた先に、確かに面白い空間が広がっていた。
柔らかい曲線の、小部屋のような丸いドームがいくつも並んでいる。
「雪国じゃ、こんな形のドームを雪で作るんだって」
ああ、なるほど。
電球色の、オレンジ色の明かりで解りにくいけど、
確かに白いドームはかまくらに見えなくもない。
いわゆる、個室居酒屋ですね。
お店の人に案内されて一番奥の席に入る。
「ええと……じゃあ、僕はとりあえずビールで」
「私は烏龍茶でいいです」
「飲まないの?」
「はい」
最近、飲み過ぎのような気がするし……
初対面の人を相手に酔っぱらえないし。
飲み物が届いて小さく乾杯すると、田崎さんはビールを飲んで、ニッコリと笑った。
「改めて、僕は田崎信一っていいます。27歳。もちろん独身のB型です」
あ。年下だ。
「はぁ……朝倉皐月と言います。なんでも母がこの名前の響きが好きだったとかで皐月になりました」
「ここ。雑誌に載ってたんだ」
田崎さんは楽しそうに中に入る。
半地下の短い階段を下りた先に、確かに面白い空間が広がっていた。
柔らかい曲線の、小部屋のような丸いドームがいくつも並んでいる。
「雪国じゃ、こんな形のドームを雪で作るんだって」
ああ、なるほど。
電球色の、オレンジ色の明かりで解りにくいけど、
確かに白いドームはかまくらに見えなくもない。
いわゆる、個室居酒屋ですね。
お店の人に案内されて一番奥の席に入る。
「ええと……じゃあ、僕はとりあえずビールで」
「私は烏龍茶でいいです」
「飲まないの?」
「はい」
最近、飲み過ぎのような気がするし……
初対面の人を相手に酔っぱらえないし。
飲み物が届いて小さく乾杯すると、田崎さんはビールを飲んで、ニッコリと笑った。
「改めて、僕は田崎信一っていいます。27歳。もちろん独身のB型です」
あ。年下だ。
「はぁ……朝倉皐月と言います。なんでも母がこの名前の響きが好きだったとかで皐月になりました」