晴天のへきれき?
よくそれで、5月生まれだと勘違いされるけど。

ぼんやりしてたら、バックの中で携帯が鳴った。

「あ。ごめんなさ……」

表示は『会社』。

少し眉をしかめる。

「ちょっと、出ます」

「どうぞどうぞ」

ボタンを押すと、聞き慣れた高瀬の声が聞こえた。

『朝倉? 高瀬だけど』

「はい?」

『えーと。経理に出す書類なんだけど、どこに置いたかな?』


このボケ星人が。


「高瀬のデスク。右の2段目の引き出し。自分でしまったでしょ」

『そうだっけ?』

「そうよ。それだけ?」

『そう。帰宅中、悪いな』

「どう致しまして! じゃあね!」

ボタンを押して、マナーモードにした。


「すみません」

謝ると、田崎さんは人の良さそうな笑顔で軽く手を振ってくれた。

「お互い様だよ。僕も仕事の電話なんかしょっちゅうで……」

言った時、今度は田崎さんの方から携帯の着メロが聞こえた。

「あー……ちょっとごめん。得意先からだから、電話BOX行ってくる」

「あ、どうぞ」

さすがにお得意さんなら、無造作に電話できないし。

とすると、田崎さんは営業さんかな?
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