晴天のへきれき?
おや。

「よくご存知ですね」

「好きな人の事ですから」

あっさり返されて、顔を赤らめる。

「よく、そんな事、ぽんぽん言えますね」

「言うのはただですから。言わなきゃ損です」

田崎さんは言いつつ、店員さんの呼び出しボタンを押した。

「食べ物、決まってますよね?」

あ。

決めてない。

「なんでもいいですよ」

「じゃ、僕が選びますね」

店員さんが来て、田崎さんはニコニコと注文をしていく。

鳥のから揚げとか、軟骨のから揚げとか、若い子が選びそうなチョイスで、


って、揚げ物ばかりじゃ?


「ご注文は以上ですか?」

店員さんの声に、待ったをかける。

「サラダか何かありますか?」

「大根サラダとシーザーサラダがございます」

「じゃ、大根サラダも追加で」

ニッコリ笑うと、店員さんもニッコリ微笑んでくれた。

「朝倉さんは、野菜が好きなんですか?」

田崎さんの、不思議そうな顔にも微笑む。

別に、野菜が好きって訳じゃないけど……油ものオンパレードも苦手だ。
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