蜘蛛の巣にかかった蝶のようで
くるっと私の方を向く築山君。
やっぱりかっこいいと思ってしまう。
またあの綺麗な目は一瞬にして細くなり、ニコッと微笑んだ。
「Tシャツガボガボだね。」
「築山君、大きいんだもん!」
「そんなことねぇよ。」
築山君は嬉しそうな顔をした。
「えへへ〜〜♩」
は、思わず間抜けな笑い声を出してしまった…。でも築山君は
「あ!笑った!」
と、更に嬉しそうな顔をした。
「良かった、朝はめちゃくちゃ泣いてたから、もう笑わないんじゃないかって心配した!」
「え?!そりゃ笑うよ〜人間だし。」
築山君の顔はとっても眩しかった。
こんなに笑顔が綺麗な男の子はいないと思った。
……幸也も、笑うと、すっごく可愛いんだよなぁ……。
「あ、今幸也のこと考えてたでしょ?」
築山君の顔が一瞬強ばった。
「え?…うん。えへへ」
なんて返せばいいかわからない。
「な………んで……。」
ボソッと築山君が何かを言った気がした。