蜘蛛の巣にかかった蝶のようで


「…なら良いけど。」

「えへへ、大丈夫だから!」

その時またケータイが鳴った。

ドクンッー。

また、あの人かもしれない。怖い。けど、これ以上築山君に心配かけたくないし……。

私はケータイを開いた。

送り主は…

お母さんだった。

すごく安心した。

『件名 どこにいるの?!

さっき学校から連絡が入って、学校に来てないって言われたんだけどどこほっつき歩いてるのよ!』

…安心したのもつかの間。
なんて返そうかな…。

『件名 ごめんなさい

今日は気分悪いから友達とサボって友達の家にいる…(;_;)
学校には腹痛で病院って言っといてください。夕方には帰ります。』

送信!あ〜でもあの人じゃなくて本当に良かった。

「お母さん?」

「うん!怒られちゃった…。腹痛で病院ってことで休むってことにしてもらったから大丈夫だよ!」

「あ、やっぱり?勝手に連れて来ちゃってごめんな…。」

「え?!ううん、そんなことない!築山君は私を元気つけようとしてくれたんでしょう?1人でいたら悲しくて死にそうだったよ。少しだけど気持ちも楽になった!ありがとう。」

「はは、迷惑じゃなくて良かった!」
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