蜘蛛の巣にかかった蝶のようで


公園は歩いて2分くらいで着く。

近くなるたびに心臓が早くなった。

公園に着くとフードをかぶり後ろを向いてる背の高い男性がいた。

ケータイをいじっている。

私のケータイが光った。

『件名 大丈夫

本当に何もしないから。
僕の背後に来て肩を叩いてくれ。』

……怖い……。
でも……幸也と戻るため……。

重い足を引きずりながら後ろに立つ。

念のためケータイはすぐお母さんに繋がるようにしていた。

男のすぐ背後まで来た時、何か覚えがあることに気づいた。

言われた通り肩を叩く。

生唾を飲み込む音が響いた。

男はゆっくりと振り向いた。
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