蜘蛛の巣にかかった蝶のようで


玄関からお母さんの声。

「あら?幸也君じゃない!おはよう。今日はやけに早いのね?」

え?幸也?だってまだいつもの待ち合わせより1時間以上も早い。

「おはようございます…。いえ、ちょっと…。紅葉起きてます?」

幸也、どうしたんだろう。

「起きてるわよ、待っててね!……紅葉〜〜!」

「え?あ、はーい!今行く!」

私はヘアバンドで髪を全部あげたままの状態で玄関に飛んで行った。
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