[短]お祭りは先輩と


「……寒く、ないか?」

「大丈夫だよ」





紗耶香は笑って見せた。

俺は紗耶香の笑った顔が大好きだ。

だけど…、
俺には、弱音吐いて…?







「なあ、なんかあったか?」

「…」





紗耶香は俯き、黙ってしまった。

その時、紗耶香が小刻みに震えだした。

地面は濡れていた。


………もしかして、泣いてる?





「俺、聞いてやるよ」





そう言うものの、紗耶香は横に首を振る。





「なあ、頼むから、聞かせろよ。
少しでも紗耶香の役に立ちたい。」





俺と紗耶香は仲がいいほうだ。

だから話してくれるかと思ってた。

けど、話してくれなくて、正直悲しい。
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