君の名は
ただの馴れ合いの友達じゃ埋められない。あなたが欲しい。
思わずこぼれた本音に、ため息をつく。
ほとんどひとめぼれに近いのに。
好きです、なんて伝えたら
きっと彼は逃げていってしまうだろう。
だから、伝えなくていい。
この気持ちは、私だけのものだ。
大切に大切にアルバムに保存して
いつか開いたときに泣けたら、それでいい。
家に帰れば、日常が待っている。
私と、彼以外は、今日のことをしらない。
美咲ちゃんもお父さんもお母さんも
誰も、今日のことをしらない。
私と、彼だけの、秘密だ。