君の名は
最終章
最終話望
あれから1年たった。
僕は無事進級して、相変わらずの日々を送っている。
あの日以来、彼女と話すことはなかった。
クラスも変わり、これから話すこともないだろう。
でも、僕は変わった、と思う。
ただただ流されるように生きてきた。
去年の六月、彼女に気づかなければ今でもそうだっただろう。
今、僕は、読書ともう一つの趣味、写真で生きていきたいと夢を持っている。
写真家になれる人なんてほんの数人選ばれし人物だけだと思い、憧れはしても口に出すことなんて出来なかった。
彼女のおかげで、僕は強くなった。
もし、もしも、僕が写真で生きていけることに、なったら、
彼女を1番最初に撮りたい。
こんなこと言ったら引かれるだろうか。
でも、きっと、そのころには僕は今以上に強くなれているはずだ。
彼女に、
「あの時、好きだったんだ」
と伝えられたらいい。