残 ―zan―
「マジで?俺らも着いてっていい?」

はなからその気だったんだろう。知人は隣で小さく息をつく。

「あぁ」

僕は頷き、佐々木が連れにラーメンていいか確認をとる。

「さんきゅ!マジで助かったわ。そのラーメン屋って何処なの?」

こっちだ、と言い、僕たちの行きつけの店に歩き出した。



―――

「ねえ、こんな所にあるの?」

佐々木の連れの女が気味悪そうに街を見渡しながら尋ねる。

あぁ、と答え僕たちは異世界へと進んで行く。隣にいる佐々木もこの街の独特すぎる空気に引いているようだった。

「ここだよ」

僕たちは街の片隅にあるラーメン屋のドアを開けた。
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