残 ―zan―
「おばあちゃんはね、昔かっぱに逢ったことがあるんだよ。」
―――
懐かしい夢を見た。
いつ頃の記憶だったか。遠い昔に、大好きだったおばあちゃんがまだ5才くらいのわたしに言った言葉だった気がする。
夢を見るまで忘れていた。記憶としてもほんの少しぼんやりとしか思い出せない。
自分の幼少の記憶に思いをはせつつ、今日もまたわたしの日常をこなす。
「いけない、遅刻しちゃう」
急ぎながら、顔を洗い、髪をセットし、朝食を食べる。クローゼットの前で着込んだ服を眺める。
…今日はこれにしよう。
お気に入りの淡いラベンダー色のワンピースを手にする。鏡を見て、全身を確かめる。
「…よし。」
鏡に映るわたしに笑いかける。大丈夫。
いってきます、と返事のない部屋に言い、家を出た。
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懐かしい夢を見た。
いつ頃の記憶だったか。遠い昔に、大好きだったおばあちゃんがまだ5才くらいのわたしに言った言葉だった気がする。
夢を見るまで忘れていた。記憶としてもほんの少しぼんやりとしか思い出せない。
自分の幼少の記憶に思いをはせつつ、今日もまたわたしの日常をこなす。
「いけない、遅刻しちゃう」
急ぎながら、顔を洗い、髪をセットし、朝食を食べる。クローゼットの前で着込んだ服を眺める。
…今日はこれにしよう。
お気に入りの淡いラベンダー色のワンピースを手にする。鏡を見て、全身を確かめる。
「…よし。」
鏡に映るわたしに笑いかける。大丈夫。
いってきます、と返事のない部屋に言い、家を出た。