残 ―zan―
「いらっしゃい」
いつもと同じ溌剌とした声が僕たちを出迎える。店主の晴れやかな笑顔と共に。
「いつものでいいかい?」
僕たちは頷く。
初めてこの店を見つけてから足繁く通い詰めて行った。お陰で今はもう常連と言える程だ。店主も僕たちがいつも食べるラーメンを把握している。あれから、店の全てのラーメンを食したが、僕は一番最初に食べた、塩ラーメンが気に入っていた。知人もやはり、初めて食べた醤油を好んで頼んでいた。
「兄ちゃんたち、いつも一緒にいるねぇ。他に友達はいないのかい?」
豪快に笑いながら店主はラーメンを作っていく。流れるようなその作業に魅入る。
「失礼だな。他にも知り合いはいますよ。」
友人ではないが。
そう、心の中で付け加えて答える。
「兄ちゃんたちは誰からも頼られそうな雰囲気あるもんなぁ。今度かわいい女子大生連れてきてよ。」
ラーメンを出しながら冗談をかます。そのうちね、と答えてラーメンを啜る。
変わらずに美味い。僕はこんな良い店を誰かに教える気なんてさらさらなかった。
いつもと同じ溌剌とした声が僕たちを出迎える。店主の晴れやかな笑顔と共に。
「いつものでいいかい?」
僕たちは頷く。
初めてこの店を見つけてから足繁く通い詰めて行った。お陰で今はもう常連と言える程だ。店主も僕たちがいつも食べるラーメンを把握している。あれから、店の全てのラーメンを食したが、僕は一番最初に食べた、塩ラーメンが気に入っていた。知人もやはり、初めて食べた醤油を好んで頼んでいた。
「兄ちゃんたち、いつも一緒にいるねぇ。他に友達はいないのかい?」
豪快に笑いながら店主はラーメンを作っていく。流れるようなその作業に魅入る。
「失礼だな。他にも知り合いはいますよ。」
友人ではないが。
そう、心の中で付け加えて答える。
「兄ちゃんたちは誰からも頼られそうな雰囲気あるもんなぁ。今度かわいい女子大生連れてきてよ。」
ラーメンを出しながら冗談をかます。そのうちね、と答えてラーメンを啜る。
変わらずに美味い。僕はこんな良い店を誰かに教える気なんてさらさらなかった。