残 ―zan―
ある日の昼、僕はラーメンを食べに行った。見慣れた街を曲がり裏路地に入る。空気が一気に冷えたように感じた。今までは対して気にしていなかったが、この街には人気がない。いつ来てもだ。住人がいるような活気のある街でもない。そんなラーメン屋のある街が僕には居心地が良かった。唯一の心休まる場所になりつつあった。
「いらっしゃい」
店主が出迎える。いつもと変わらないやり取りをして、いつもと同じ席に着く。
「そこはもう、兄ちゃんの特等席になってるな」
スープの入っている鍋をかき混ぜながら店主は言う。
「じゃあ、ここは僕専用にしといてください」
「満員になったら関係無しにすわらせるよ」
笑いながら答える。なにが、満員になったらだと悪態をつく。今まで一度も他の客と会ったことはない。ラーメン屋だけでなく、街全体として人を見たことがなかった。
はいよ、という店主の声と共にラーメンが出される。白い湯気をたてて、香ばしいような、香りが鼻腔を通り抜ける。
スープを一口すする。ここのラーメンはスープが抜群に美味しい。そういえば、この出汁はなんだろう。
「スープは動物の骨を使っているんですか?」
「いらっしゃい」
店主が出迎える。いつもと変わらないやり取りをして、いつもと同じ席に着く。
「そこはもう、兄ちゃんの特等席になってるな」
スープの入っている鍋をかき混ぜながら店主は言う。
「じゃあ、ここは僕専用にしといてください」
「満員になったら関係無しにすわらせるよ」
笑いながら答える。なにが、満員になったらだと悪態をつく。今まで一度も他の客と会ったことはない。ラーメン屋だけでなく、街全体として人を見たことがなかった。
はいよ、という店主の声と共にラーメンが出される。白い湯気をたてて、香ばしいような、香りが鼻腔を通り抜ける。
スープを一口すする。ここのラーメンはスープが抜群に美味しい。そういえば、この出汁はなんだろう。
「スープは動物の骨を使っているんですか?」